福祉

動画・福祉

向井 拓也さん

諸法無我を探究する映像ディレクター

変わり続けることが、ブレない芯。広げて、深く潜って、まとまっていく。

「みんなで同じ空間」より「ひとりで深く」

まず、今のお仕事と働き方を教えてください。

いまは映像ディレクターとして仕事をしています。
働き方でいうと、会社がリモート前提なので、基本的に「どこで働くか」に縛られないのが大きいですね。撮影があるときは現場に行きますけど、普段は自分の作業環境で集中して進められます。
僕、正直仕事は「みんなで同じ空間にいて、ずっと人の目がある」みたいな環境より、ひとりで考えを発展させつつ没頭できるほうが向いていて。だからUターンしてからは、前よりも物事に深く向き合える感じがあります。作るものも良くなった気がしていて、評価されることも増えた実感があります。

始まりの原点:幕張メッセの衝撃

Q:「映像のお仕事」に興味をもったきっかけは何ですか?

音楽が好きであるときテクノイベントを見に幕張メッセに行ったんです。
パソコンを使ってゴリゴリに音楽を流し人が踊る。
音楽が良かったことはもちろんですが、「パソコン1個でできるんだ!」っていう感動があって。そこから「パソコンを使った仕事をしたいな」って漠然と思うようになって、音楽から映像にも寄っていった感じです。

仕事でゴリゴリ鍛えられた“追求力”

Q:向井さん、見た目の偏見ですがなんだかストイックそうです。「やり抜く」「突き詰める」そんな力は、どこで身についたのですか?

news zeroやnews every.に携わった仕事ができるカッコいい上司の影響が大きいです。もう、何度も何度もやり直しを食らいました。
結構きついんですけど、僕は逆に、筋が通ってる厳しさのほうがいいというか。理不尽な敵(よく分からない嫌がらせみたいなもの)のほうが嫌なので。
「ここが違う」「もう一回」って戻されるのは、その場では大変ですが、でも結果として、甘えずに突き詰める体力がつきました。やり直しの理由に納得がいくし、最後まで粘れるようになった感覚があります。

アウトドアブランドのお仕事×トレーニング

Q:仕事で大切にしている感覚って、どんなものですか?

いまアークテリクスというアウトドアブランド(登山系)の撮影に関わっているんですけど、そういう現場って「自分も実際に体験しなきゃ撮れない」って思うんですよ。
登山系ならなおさらで、体感がないと映像の説得力が出ない。だから普段からトレーニングは欠かさずやっています。
自分の体がついていかないと、現場で撮れないので。

Q:向井さんの“クレイジーな経験”って、どんなものがありましたか?

カナダでの撮影ですね。現地でスノーモービルに乗って、かなりの急勾配をガンガンすごいスピードで登っていくんですよ。慎重さとはまったく真逆の世界。
慣れているのかなと思いきや全力で何度も転ぶんですよね(笑)。
いやー、すごい世界でした。あれはもう経験したくないです(笑)。

子どものために「地に足をつける」選択をし、Uターン

Q:八戸にUターンした理由をお聞かせください。

6年前子どもが小学校に上がるタイミングで、
「地に足をつけて落ち着いて子育てをしよう」
と思ったのがきっかけです。
東京にいたときは、情報が多すぎて「思考が停止する」感じがあって。灰色になるというか、クリアじゃない感じがするというか。「ここじゃない感」みたいなものがありました。
それが八戸に戻って、暮らしのテンポも空気も変わって、ちゃんと足が地面についてる感覚があって。
あと、家の話をすると、東京の価格感との差がすごすぎて「八戸、感動」みたいな感覚もありましたし、結果的にリフォームも含め暮らしごと豊かな気持ちになりました。

八戸の豊かさは、人の温かさと思いついたら“すぐ”自然に触れられること。

Q:八戸に戻ってから、暮らしの楽しみって増えました?

増えました。象徴的なのは釣りですね。東京にいたときは、釣りって「一日かけて行って、帰ってきたら疲れてるだけ」になりやすかったんです。でも八戸だと、思いついたらすぐ行ける。しかも釣りに行ってから「今から(買い物に)行く」みたいな動きもできるくらい近い。ラピアからの釣り。みたいな(笑)
そういう距離感って、向こうじゃできないんですよね。八戸にいると当たり前になって気づきにくいけど、相当恵まれた場所だと思います。

もともと自然に触れるのは好きで、埼玉に住んでたときも畑をやってました。
八戸は、ご近所さんが広い敷地を持ってて、「やったらいいよ」「ここ使っていいよ」って、ヒョイっと貸してくれたんですよ。ビックリ。人の温かさと豊かさを感じます。

Q:そんな八戸で、これから「つながりたい人」や「会ってみたい人」はいますか?

真面目な話になっちゃうんですけど、ちょっと落ち着いてきたので福祉活動に興味があります。妻がパティシエで、国産小麦粉使用、着色料、保存料不使用の「青空おやつ」というお菓子屋さんをしていまして。その延長線上で福祉活動をしている方々との接点ができ、今では就労継続支援B型事業所のお手伝いをしています。
あと障害者スポーツにも興味があります。福祉と言ってもいろんな世界・形があると思うのでもっと見て感じていきたいと思っています。

一歩は“決断”じゃなく“探索”。寄り道が、人生を連れてくる

Q:向井さんは一歩踏み出す勇気って、どうしたらいいと思いますか?

「やりたいことをやる」っていうより、「やってみたことが、楽しくて、天職になる」って感覚が近いです。
仏教で言うと「諸法無我」いかなるものにも実体はないんだよ、「自分はこうあるべき」という執着なく変化を受け入れる。というような教えを好んでいます。

僕は一つのことをやりながらも、他のことが気になって、つい見えてきちゃって、気づいたらやりながら違うこともしていることが多くて。
徹底的に研ぎ澄ます人をカッコイイ!と思うけれど、自分はそれはなくて影響を受けやすい人間であることを受け入れて広げながら収束していくタイプです。

最初から大きく決めなくても、こっちをやってたら、そっちもやりたくなって、勝手に広がって、気づいたらまとまっていく。
だから、いきなり完璧に決めようとしなくていい。小さくでも動いてみると、見える景色が変わると思いますよ。

取材・文:沼田 薫

もっと知りたい方へ(活動リンク)

向井 拓也さん

株式会社ウェブライフ 映像ディレクター
https://web-life.co.jp/

Instagram
https://www.instagram.com/mukaitakuja/

  • 映像ディレクター以外の活動
    • 妻のお店:青空おやつの立ち上げ・運営
    • スタジオマルシェ 就労支援B型事業所にてカリキュラム作成や雑貨販売委託のお手伝いをしています
      https://studiomarche8nohe.com/

向井 拓也さんの妻:向井 綾さん

東京でパティシエをしていてUターン。お店:青空おやつをオープン。館鼻岸壁朝市にも出店中
https://shop.aozora-oyatsu.com/

Instagram
https://www.instagram.com/_aozoraoyatsu_/

動画に関するご相談や、福祉関係に詳しい方がいらっしゃったら是非お声がけください…!

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